雷鳴の中で咲いた一瞬の華 ― 雨と花火の忘れられない夜
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昨日は地元の花火大会。
例年、初日は雨で順延になることが多く、今年も台風9号の接近で「またか…」と半ば諦めていた。ところが、台風は東へ逸れ、日中は容赦ない暑さ。
「これは開催されるかも」と期待が膨らむ一方で、夕方になると空模様が怪しくなり始めた。予報通り、夕立の気配。
それでも雨は降っていなかったので、会場へ向かう。
途中、ポツポツと雨粒が頬を打ち始める。開始15分前、突然の本降りに会場中がざわついた。
「中止かもしれない…」そんな不安がよぎる中、傘を差しながら空を見上げる人々の表情には、どこか諦めきれない期待が残っていた。
そして、開始予定時刻から15分後――雨が止んだ。
まるで空が花火を待っていたかのように。
雷鳴が遠くで轟く中、花火大会は予定通りスタート。
雷が光るたびに、観客の誰かが「すごい…雷と花火のコラボだね」と笑いながら声を漏らす。
雨に濡れたことも忘れ、皆が空を見上げていた。
途中、何度か土砂降りに見舞われたが、それでも誰一人帰ろうとはしなかった。
最後の一発が夜空に咲いた瞬間、拍手と歓声が雨音に混じって響いた。
人生で初めて、雷鳴とともに花火を見た夜。
不安定な空の下で、確かに心はひとつになっていた。
雨のおかげで暑さも和らぎ、むしろ心地よい夜だった。
「無事に終わってよかったな」
そう呟いた帰り道、濡れた服の重さよりも、胸に残った余韻の方がずっと重かった。
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